近年、地政学的リスクの高まりや物価高、エネルギー問題など、世界情勢は大きな転換期を迎えています。そうした中で、日本政府が推し進めているのが「防衛予算の抜本的増額(GDP比2%目標)」です。
「なぜ今、防衛費を増やす必要があるのか?」「世界の中で日本の防衛費は多いのか?」といった疑問を整理しつつ、日本の国防に対する考え方と、それに伴う産業・投資への影響、そして個人投資家としての私の取り組みについてまとめました。
1. 緊迫化する世界の情勢
現在、世界各地で地政学的緊張が高まっており、従来の国際秩序が揺らぎ始めています。
- ウクライナ情勢・中東情勢の長期化:安全保障が単なる「軍事」だけでなく、食料やエネルギー供給に直結することが浮き彫りになりました。
- 東アジアにおける緊張の高まり:日本の周辺国(中国・北朝鮮・ロシア)による軍事活動やミサイル開発、台湾海峡を巡る緊張など、防衛上のリスクが極めて高いエリアに日本は位置しています。
- 自国の安全保障(自前化)の動き:各国が自国の防衛力強化を進めており、「自分の国は自前で守る力を高める」という考え方が世界的なトレンドとなっています。
2. 世界から見た日本の防衛費の位置づけ
日本の防衛費について、「金額の絶対額」と「経済規模(GDP比)」の2つの視点から比較することが重要です。
① 金額の絶対額で見ると「世界10位前後」
日本の防衛費は年間約8兆〜9兆円規模であり、世界の中で見れば決して少ない金額ではありません。上位にはアメリカ、中国、ロシアなどが並びますが、日本もトップ10に入る規模を維持しています。
② GDP比で見ると「長年抑えられてきた」
一方で、各国の経済規模に対する負担割合(対GDP比)で見ると、日本は長年「慣習的な1%枠」の中に収めてきました。NATO(北大西洋条約機構)の目標基準である「GDP比2%以上」や主要G7諸国と比較すると、経済規模の割に防衛費を低く抑えてきた経緯があります。
3. 日本の国防への考え方と「GDP比2%」への足取り
こうした内外の環境変化を受け、日本政府は**防衛予算をGDP比2%規模(約11兆円)へと引き上げる方針**を打ち出しています。
① 抑止力の強化と対米依存の脱却
日米同盟を基軸としつつも、日本自身の防衛力を高めることで周辺国に対する「抑止力」を効かせることが狙いです。自前での防衛装備(スタンド・オフ・ミサイルや次世代防衛装備など)の拡充が進められています。
② エネルギー・経済安全保障の重要性
現代の国防は、戦車や戦闘機といった軍事力だけにとどまりません。原油・天然ガスなどのエネルギー資源権益の確保、サイバー攻撃への対処、半導体や重要物資の供給網維持といった「経済安全保障」も重要な防衛の柱となっています。
4. 私自身の考えと具体的な投資行動
各国の防衛費増額や世界情勢を見る限り、日本も国防費を上げていく流れは不可避であり、これは一過性のブームではなく10年・20年単位で続く「構造的な変化(国策)」であると考えています。
この長期的な国策の流れに対し、私は以下の2つの軸でポートフォリオを組み、資産運用へ取り組んでいます。
① 「直接的な防衛」と「エネルギー安全保障」の2軸でアプローチ
防衛の本命である三菱重工業(7011)だけでなく、国家の生命線であり黄金株・高配当という強みを持つINPEX(1605)の2社に注目しています。
- 三菱重工業:陸海空の防衛装備の中心であり、小型モジュール炉(SMR)など次世代エネルギー技術にも期待できる成長軸。
- INPEX:エネルギー自給率や経済安保の要であり、高い配当利回りとPBR1倍割れ対策による下値の堅さを兼ね備えた安定軸。
② 資金の範囲内で「1株ずつコツコツ買い足す(時間分散)」
過去に株式分割前のタイミングで手放してしまい、その後の急騰を見送ったという苦い経験もあります。
高値警戒感や為替・市況の変動リスクに対処するため、一括購入ではなく、手元資金の範囲内で1株単位(単元未満株)でコツコツと買い足していく手法をとっています。
この時間分散(ドルコスト平均法)を取り入れることで、一時的な株価調整も「安く買い増しできる機会」と捉え、ストレスなく長期で積み上げていく計画です。
5. まとめ
世界的な地政学リスクの高まりを受け、日本が自前での防衛力強化を進める流れは今後も継続すると考えています。
単なる短期的なテーマ株投資として追うのではなく、国策の方向性を見極めながら、防衛装備を担う企業やエネルギー安全保障を支える高配当銘柄を無理のないペースで積み増し、長期的な資産形成につなげていきたいと考えています。


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