住宅ローンを選ぶとき、金利のタイプや仕組みって本当に複雑ですよね。
変動金利なら「短期プライムレート」、固定金利なら「長期金利(10年物国債利回り)」に連動するなど、それぞれ指標が異なります。
一般的な変動金利には、金利が急上昇しても5年間は返済額が変わらない「5年ルール」や、上昇しても前回の1.25倍までとする「1.25倍ルール」といったセーフティネットが設けられていることが多いです。しかし、全利上昇時には元本ばかりが残るリスクもあるため注意が必要です。
そんな中、山陰の地方銀行である「ごうぎん(山陰合同銀行)」が力を入れているのが「預金連動型住宅ローン」です。
一見すると非常にお得に見えるこの商品ですが、深く調べていくと、現代の資産形成のトレンドとは逆行する大きなリスクが見えてきました。
今回は、私が利用しているプランとの比較を交えながら、その「罠」と「銀行側のホンネ」を暴露します。
1. 山陰での住宅ローン(ごうぎん金利比較)
まずは、現在のごうぎんの金利状況を見てみましょう。
私が2024年に契約した「スーパー住宅ローン(2段階固定金利)」と、2026年7月現在の最新金利、そして話題の「預金連動型」を比較してみます。
| ローン商品名 | 1〜10年目の金利 | 11年目以降の金利 |
|---|---|---|
| 私が契約した2段階固定(2024年) | 年 1.0% | 年 2.0% |
| 現在の2段階固定(2026年7月現在) | 年 2.1% ~ 5.7% | 年 3.4% ~ 7.0% |
| 預金連動型の2段階固定(最新パンフレット) | 年 2.30% ~ 5.70% | 年 3.60% ~ 7.00% |


2. 預金連動型という闇:普通預金に固定するデメリットが大きすぎる理由
ごうぎんが用意している公式のシミュレーションを見ると、一見かなりお得に感じられます。

預金連動型住宅ローンの仕組みは、「普通預金に入れてある金額(上限はローン残高の50%)」の分だけ、ローン金利を実質ゼロ(キャッシュバック)にするというものです。
一見、繰上返済と同じ効果がありつつ、手元に現金を残せるので良さそうですが、致命的な3つの落とし穴があります。
① そもそも金利が「年0.2%」上乗せされている
このローンを選ぶだけで、一般的なごうぎんの住宅ローン金利よりも年0.2%高く設定されています。
つまり、普通預金に一定以上のお金をずっと入れておかないと、ただ金利が高いだけの損なローンになってしまいます。
② 「投資(新NISAなど)」に回せないという最大の機会損失
これが最も大きなデメリットです。
キャッシュバックの上限(ローン残高の50%)までメリットを受けようとすると、例えば4,000万円のローンなら2,000万円もの大金を「ごうぎんの普通預金」にずっと縛り付ける必要があります。
- 普通預金に置いた場合 高くなったローン金利(1.25%など)の負担がその分減るだけ。
- 新NISAでインデックス投資に回した場合 過去の実績ベースで年利4〜7%程度の期待リターンがある。
今の時代、手元に数千万円の資金があるなら、1%そこそこのローン利息を削るために現金を眠らせるより、新NISAなどで運用した方が資産が圧倒的に増える可能性が高いのです。
③ 住宅ローン控除が終わった後が悲惨
銀行の資料では「頭金にするより、預金連動型にしてローン残高を残した方が、住宅ローン控除が多く受けられてお得!」とアピールされています。
確かに計算上はそうなりますが、住宅ローン控除は最大でも10年〜13年で終わります。
控除が終わった後も、上乗せされた高い金利を相殺するためだけに、ずっと大金を普通預金に入れておかなければならないのは非常に非効率です。
3. もう少し踏み込む:銀行(ごうぎん)にとって「美味しすぎる」3つの理由
なぜ、ごうぎんはこれほど預金連動型を推すのでしょうか?
それは、銀行側にとってノーリスクで儲かる「最高のビジネスモデル」だからです。
- 他行に流れるはずの預金を「独占」できる 銀行にとって普通預金(現金)を集めることは命です。その集めたお金を企業への融資などに回して儲けられるからです。「実質金利タダ」という甘い言葉で、契約者がネット銀行やSBIなどに預けるはずだった1,000万〜2,000万円という大金を、ごうぎんの口座にガッチリ固定できます。
- 普通預金金利(0.40%)だけで大金を縛れる 資料にある通り、2026年7月現在のごうぎんの普通預金金利は年0.40%です。もしこれが「定期預金」ならもっと高い金利を払わなければいけないかもしれませんが、「いつでも引き出せる普通預金」という名目で、これだけの大金を格安のコスト(0.40%)で維持させることができます。
- 預金が減ったら、上乗せ金利を丸儲けできる もし途中で「子供の教育費が必要になった」「車を買い替えた」と預金を引き出せば、キャッシュバックの対象額が減ります。そうなると、銀行側は「上乗せされた高いローン金利」をそのまま毎月キッチリ回収できるため、どちらに転んでも銀行が絶対に損をしない仕組みになっています。
4. 結論:現在のごうぎんでローンを借りるメリットは見えない
調べるほど「ごうぎんで借りるメリット」が見えないのが現実です。
現在の金利状況や商品性を見ると、ネット銀行との差は圧倒的です。ごうぎんの変動金利(最大引下げ時)が年1.25%に対し、主要なネット銀行の変動金利は年0.3%〜0.4%台です。
大切な預金を人質に取られなくても、最初からネット銀行の方が圧倒的に安いのです。
さらに、ネット銀行にはある「金利が上がっても5年間は返済額が変わらない(5年・1.25倍ルール)」というセーフティネットが、ごうぎんの主要プランにはないというリスクもあります。
まとめ
私が当初ごうぎんを使った時はメリットが多かったのですが、現在の「スーパー住宅ローン」や「預金連動型」は、正直に言っておすすめできない商品になってしまいました。
今の時代だからこそ、「地元だから安心」という理由だけで選ぶのは非常に危険です。銀行の言われるがままになるのではなく、自分自身で仕組みを理解し、広い視野でベストな選択肢を探すべきだと痛感しています。

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