「EV化でマニュアル(MT)車のクラッチが消えたら、この会社はどうなるんだろう……」
数年前、自動車用駆動系大手・エクセディの株を買うか悩んでいた時、そんな将来性への不安から投資を見送った経験がありました。
しかし、その懸念を根底から覆す歴史的な大ニュースが舞い込んできました。
なんと、同社の子会社(Protean Electric)が手掛ける「インホイールモーター」が、欧州ルノーの新型EVに標準採用決定!
大手自動車メーカーが量産乗用車にインホイールモーターを標準搭載するのは「世界初」という快挙です。
今回は、従来の欠点を克服してルノーに選ばれた理由と、この技術がエクセディの未来をどう変えるのかを徹底解説します!
ルノー「5 Turbo 3E」に搭載!世界初となる歴史的アライアンス
ルノーが発表したスポーツEV「5 Turbo 3E」(2027年販売開始予定)。この注目のモンスターマシンに標準搭載されるのが、エクセディ傘下の英国Protean Electric社が開発したインホイールモーターです。
- 驚愕のスペック:555馬力を叩き出し、0-100km/h加速は3.5秒以内という圧倒的な動力性能。
- なぜインホイールなのか?:ドライブシャフトやギアを省くことで、4輪の独立制御(1/1000秒単位のトルクコントロール)が可能になり、従来のEVでは不可能なレベルの旋回性能と安定性を叩き出すためです。
「インホイールモーターは実用化が難しい」と言われ続けてきた常識を破り、大手OEMの厳格な品質基準をクリアして量産採用までこぎ着けたインパクトは絶大です。
従来の欠点「乗り心地悪化・熱・水」はどう克服されたのか?
これまでインホイールモーターの普及を阻んできた最大のネックは、「バネ下重量の増加(乗り心地悪化)」と「過酷な走行環境への耐久性」でした。
エクセディ(Protean社)は、これらの課題を以下のアプローチで解決しています。
- バネ下重量の影響を「超高精度な電子制御」で打ち消す 単に軽くするだけでなく、4輪の駆動力をミリ秒単位で独立制御することで、重量増加による乗り心地の低下を補い、むしろ次元の違うハンドリング性能へ昇華させました。
- 過酷な環境に耐える強固な特許構造 ホイール内という雨、泥、ブレーキダスト、強烈な衝撃にさらされる環境に対し、最高レベルの密閉・防塵性能と、ステーターを分割構造にする特許技術で高い耐衝撃性と信頼性を確保しました。
- ダイレクト水冷システムによる熱管理 モーター内部に冷却チャネルを配置し、ブレーキの熱や高速走行時の熱タレ(出力低下)を防止する冷却構造を確立しました。
特許300件超!他社が真似できない「参入障壁」という武器
今回の快挙は偶然ではなく、エクセディが数年前から進めてきた綿密な特許戦略の結実です。
Protean社は300件以上の特許(75の特許ファミリー)を保有するインホイールモーター分野のパイオニアです。
- ダイレクトドライブのアウターローター構造
- インバータ(制御装置)をホイール内に完全統合する一体型設計
こうした「概念特許」に加え、エクセディが長年培ってきた「自動車部品のグローバル大量生産・品質管理ノウハウ」が融合したことで、世界中の競合が追いつけない圧倒的な技術的参入障壁(モート)が完成しました。
「MTクラッチの会社」からの華麗なる変身
かつて「EVシフトで需要がなくなるのでは」と恐れられていたエクセディ。
しかし蓋を開けてみれば、既存のMT・AT事業で潤沢なキャッシュを稼ぎ出しつつ、裏では次世代EVの「切り札」となる世界トップクラスのインホイールモーター技術をグループ内に仕込んでいたのです。
年間配当350円という強力な株主還元で下値を支えつつ、上値には「次世代EVの標準化」という大きな成長ロマンが広がっています。
数年前に見送って後悔した私ですが、この技術的進化と事業ポートフォリオの変革を見て、いよいよ本気でポートフォリオへの組み込みを検討したくなりました!
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